建設業許可の業種は全部で29業種あります。その中で「一式工事」は「土木一式工事」と「建築一式工事」の2業種のみです。名前だけ聞くと土木工事に係る工事を一式請け負うことが出来るように思われますが、実際にはそのようなことはございません。
今回はそんな土木一式工事という業種について解説していきたいと思います。
土木一式工事とは
土木一式工事について国土交通省は以下のように公表しています。
内容
- 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。)
建設工事の区分の考え方
- 「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。
- 上下水道に関する施設の建設工事における『土木一式工事』、『管工事』及び『水道施設工事』間の区分の考え方は、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場自体の敷地造成工事が『土木一式工事』であり、家屋その他の施設の敷地内の配管工事及び上水道等の配水小管を設置する工事が『管工事』であり、上水道等の取水、浄水、配水等の施設及び下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事が『水道施設工事』である。なお、農業用水道、かんがい用配水施設等の建設工事は『水道施設工事』ではなく『土木一式工事』に該当する。
土木一式工事の内容は「総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事」という、非常に抽象的な説明となっており、具体的なイメージが湧きにくいです。「総合的な企画、指導、調整」というのはイメージとしては元請業者として大規模な工事を請負、複数の下請業者に業務を発注し、管理・調整しながら工事をしていくようなものとなります。
建設工事の区分の考え方、でも説明されている通り、コンクリート工事でも土木一式工事に該当する者として挙げられているのが橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事といった、かなり大規模なものです。
他の専門工事との並行しての許可取得
「土木一式工事」はかなり大規模な工事に関するもので、基本的には元請として請け負う工事を想定しています。許可が実際に必要な事業者の方はその取得が可能なのかを確認すると共に、個別の工事受注であれば区分の考え方の箇所でも説明されている通り、管工事や水道施設工事等、対応できるので専門工事を取得していくこともご検討ください。
また、土木一式工事を取る場合、並行して専門工事の業種の許可も取っておかなければならないかどうかを良く確認することに注意しましょう。