リフォーム工事とは
リフォーム工事は既設物の改築や改修を行うことですが、工事の規模や工事の内容は様々です。
例えば賃貸マンションの壁紙張替を行う工事をリフォーム工事としている場合は、工事の規模も金額も小規模ですが、既設住宅の床面積を広げる拡張工事や建物全体のレイアウトを大きく変更する工事もリフォーム工事として行われることもあります。一口に「リフォーム工事」といっても、その内容は多種多様であるため、一概に「リフォーム工事」はこの業種に該当する、といえるようなものではなく、業種判断は難しいといえます。
工事名ではなく工事の内容を確認する
業種判断で大事なことは、請負契約書等に記載される「〇〇様邸リフォーム工事」のような「工事名」で判断するのではなく、「屋根葺き替え工事」や「外壁塗装工事」といった個々の「工事の内容」で判断することです。
建設工事の請負契約書や、注文書・請書に記載される工事名は、注文者と請負人との間で慣例的に行われている工事名が使われることがあります。また、元請業者から一時下請業者へ発注する場合に、発注者・元請業者間の契約と同様の工事名で発注するということもあり、名が体を表していないケースが多々あります。
工事の見積もりの際には、工事の内容をしっかりと確認することになりますし、建設業法では請負契約書に工事の内容は明記することが義務付けられています。ですので請負契約締結の際には、「工事名」ではなく、「工事の内容」で業種判断をするということを徹底するようにしましょう。
また、リフォーム工事は複数の専門工事が含まれていることが多いことから「リフォーム工事=一式工事」と判断している建設業者の方が多いように感じます。一式工事は「元請の立場で総合的にマネージメントする建設業者が請け負う、大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事」もしくは、「元請の立場で総合的にマネージメントする建設業者が請け負う、複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事」です。複数の専門工事が含まれるようなケースでは、それらの専門工事を有機的に組み合わせて、社会通念上独立の使用目的がある土木工作物や建築物を造る工事が該当します。「リフォーム工事=一式工事」と必ずしもなるわけでもないので注意しましょう。
リフォーム工事の事例
リフォーム工事の事例を紹介します。
①賃貸マンションの〇〇号室リフォーム工事
壁紙の張替工事であれば内装仕上工事になります。キッチンや浴室などの水回り設備の取替工事であれば管工事になります。一部の内部のみの工事の場合、建築一式工事に該当することはありません。一方で、著者も建設業者で仕事をしていた時にレイアウトから大幅に変えるリフォーム(リノベーションと言われたりするもの)については場合によっては建築一式工事として行った方が良い場合も中にはあります。
②住宅のエクステリアリフォーム工事
エクステリアリフォーム工事とは外構工事のことで、建築の外側に施す工事です。例えば外壁の設置や門扉の設置などがあります。これらの工事はとび・土工工事に該当するため、それらを改装する工事でもとび・土工工事に該当します。
③大型ショッピングモールのリフォーム(増築)工事
建物の床面積を広げる場合には建築確認が必要んびなることがあります。また、増築工事の場合は、いくつかの専門工事を行うことで建物が完成します。建物を増築するため工事の規模も大きく複雑な工事になります。そうすると総合的な企画・判断・調整が必要になるため、この場合は建築一式工事に該当します。ただし、原則として建築一式工事は元請業者の立場で請け負う工事になりますので、下請業者の場合はいずれかの専門工事で行うことになります。
これらの事例からもわかる通り、一概に「リフォーム工事」といってもその工事の内容は多種多様です。「リフォーム工事」という言葉だけで判断せず、その工事の内容まで確認した上で、業種判断をして必要な許可を取りましょう。