建設業許可を取得して事業を行っていく上で、行う事業によっては建設業以外の許認可の取得を検討しなければならないことがあります。
その代表的なものとどのような場面で取得しなければならないかと解説してきます。
建設業に関連する代表的な許認可
許認可の種類 | どういったときに必要となるか |
電気工事業者の登録 | 電気工事を行う事業を営もうとするとき |
解体工事業者の登録 | 建設業のうち建築物等を除却するための解体工事を請け負う営業をするとき ※建設業許可を受けた者を除く |
(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可 | (特別管理)産業廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとするとき |
宅地建物取引業免許 | 他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物に関する調査若しくは条例の規定に基づく手続の代理を業として行おうとするとき |
建築士事務所登録 | 他人の求めに応じ報酬を得て、設計、工事監理、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、建築物に関する調査若しくは鑑定又は建築物に関する調査若しくは条例の規定に基づく手続の代理を業として行おうとするとき |
表に該当する事業を行う場合には、建設業許可だけでは足りず、それぞれの許認可を別途取得しなければならないので注意が必要です。新規事業を始める場合はもちろん、現在行っている事業においても、適正な許認可を取得しているかどうか改めて確認してみましょう。
電気工事業者の登録とは?
一般用電気工作物、自家用電気工作物、これらに係る電気工事を自ら施工し電気工事業を営む場合には、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づき経済産業大臣又は都道府県知事の登録を受けなければなりません。この登録をすることで「登録電気工事業者」となります。その中でも、建設業許可(許可の種類は問いません)を受けた建設業者が電気工作業を営むため登録をした場合は、「みなし登録電気工事業者」となります。登録をせず電気工事業を営んだ場合には、罰則規定があるので注意が必要です。
電気工事業の登録が必要となるのは「自ら施工」する場合です。元請人として電気工事を受注したが、下請人に発注し施工させる場合は、自ら施工していることにはならないため、登録は必要ありません(ただし、建設業法で禁止されている一括下請になっていないかは注意してください)。
(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可とは
建設工事現場では、工事に伴って建設業廃棄物(ごみ)が大量に発生します。その廃棄物を処理する責任(排出事業者責任)があるのは元請業者です。排出事業者である元請業者が自身で産業廃棄物を処理することについては許可は不要ですが、元請業者が廃棄物の処理を他社に委託する場合、許可を持っている処理業者に委託する必要があります。その処理業者が持っていなければならない許可が「(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可」です。
元請業者が下請業者に廃棄物の処理を委託する場合、下請業者は原則として、産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。ただし、例外的に、小規模な維持修繕工事等においては次の一定の条件のもとに下請が許可なく運搬することが可能です。
- 500万円以下の維持修繕工事(新築、増築、解体を除く)、500万円以下相当の瑕疵工事
- 一回の運搬が1立法メートル以下
- 特別管理産業廃棄物を除く
- 運搬途中に保管を行わない
- 運搬先は同一県内または隣接する県内で、元請業者の指定する場所
- 必要事項を記載した書面と、請負契約書の写しの携行
その他の許認可もきちんと確認し、無許可営業といった状態にならないように注意しましょう。